<依存症>多い日本 ギャンブル536万人 厚労省研究班

成人の依存症について調べている厚生労働省の研究班(研究代表者=樋口進・久里浜医療センター院長)は20日、
パチンコや競馬などギャンブル依存の人が成人人口の4.8%に当たる536万人に上るとの推計を初めて発表した。
インターネットから離れられないIT依存の傾向がある成人は421万人となり、5年前から約1.5倍に増えた。
また、アルコール依存症の人は初めて100万人を超えて109万人に達し、女性は2008年の8万人から14万人に急増した。

 研究班は昨年7月、成人約4000人に面接調査を実施した。その結果、ギャンブルについては、国際的に使われる指標で
「病的ギャンブラー」(依存症)に当たる人が男性の8.7%、女性の1.8%だった。海外の同様の調査では、米国(02年)
1.58%▽香港(01年)1.8%▽韓国(06年)0.8%--などで、日本は際立って高い。

 ギャンブル依存は、秋の臨時国会で本格審議されるIR推進法案(カジノ法案)が成立した場合の患者増を心配する声もある。
研究班の尾崎米厚(よねあつ)・鳥取大教授(環境予防医学)は「パチンコなど身近なギャンブルが、全国どこにでもあることが海外より率が高い原因ではないか」
と分析する。